なかなか時間が取れないですが、記事を挙げておかないとですね。
大学院というのは第一義的に研究者養成の場であるので、研究をするにあたって必要なことを学ばなくてはなりません。
世間的には理系院生がマジョリティですが、一文系院生の立場から色々書いていきたいと思います。うまく書けるかわかりませんが、書くことを通して自分が勉強していきたいと思っています。
さて、文系の研究についてはこんな本が出ています。
https://www.amazon.co.jp/文系研究者になる-「研究する人生」を歩むためのガイドブック-石黒-圭/dp/4327379077
自分の所属するコースでも他に持っている方がいる他、五月祭で他の研究室にお邪魔させてもらった時にもこの本があったので、文系院生の間では結構読まれている本だと思います。
この本には研究者を目指すにあたって共通して学ぶとよいことが結構書かれています。こういうことは研究室の中で口伝で伝わっていくイメージがあったのですが、ちゃんとまとめられており、文系で研究職を志望される方は購入すべきだと思います。
細かくいうと人文系と社会系ではまた違うのかもしれませんが、今は置いておきましょう。
研究職を目指すにあたって身につけておきたい知識を僕なりに分類すると、こんな感じでしょうか。括弧内は上記の本で対応してそうな章、節です。
①研究対象・理論・学説に関する知識
②研究手法に関する知識(2章、3-1、3-2、4章)
③研究室・大学院に関する知識(1-2、1-3、5-1、5-3、7-1)
④論文・学術誌・学会に関する知識(3-3、5-2、6章、7-2)
⑤研究資金・就職に関する知識(1-1、7-3、7-4、8章)
①:研究対象に関する知識を集めるのは大前提です。基礎的な知識は大学院入試の時点で問われることになりますが、修士課程ではもう少し詳しく知る必要があります。修士課程として共通で学んでおくべきラインというのは授業で扱われますが、自分の研究分野に関してはそれより遥かに多くのことを知っておく必要があり、これらは基本的には自分で学ぶこととなります。
しかし、理論・学説を体系的に学ぶということは学問の歴史を学ぶことであり、そこそこ大変だと思います。ここら辺どうすれば良いかはあまり詳しくないので、これから学んでいきたいです。
②:研究手法に関する知識としては、そもそも研究するという行為がどのような行為か、ということや、量的研究・質的研究に関する知識があります。授業でこれらを扱う場合は問題ないのですが、扱わない場合は自力で習得しなければなりません。学部生のうちに2-1〜2-3、4-1〜4-3あたりを読んでおくと院試もスムーズにいくと思います。
実は今大学院でやっている授業はこちらの比重が結構高いです。文系大学院に入って統計分析、と思う方もいるかもしれませんが、量的研究をするにあたっては必須の知識です。
③、④、⑤については論文の書き方を除きあまり授業で扱われることはないと思います。授業外で学ぶべきことというのは基本的に研究室の先輩から口伝や文書で教わることで、ここが(文系においては)大規模な大学が有利なポイントではないかと思います。断片的な情報はすでにインターネットでも結構見かけますが、こうした知識を1冊にまとめている本は大変貴重だと思います。これを参照しつつ、自分で調べた・聞いたことを参考にしつつ何本か記事を書いていきたいと思います。
③は研究室のルール・使い方といったことから人間関係だったりゼミだったりの話で、生活する上での基本的なこと、程度です。大事なことですが、そこまで深掘りする気はありません。
④は論文投稿の方法や学会での過ごし方・学術界における人間関係などで、今個人的に興味を持っているところです。これから中心的に書きたいところです。
⑤は学振やその他の奨学金の話だったり、非常勤講師など仕事に関する話についてです。当事者になる以上は流石に関心を持たずにはいられないと思うので、みなさん自主的に調べるとは思いますが、何か書けたら良いとは思います。
というわけで今回の記事の趣旨は、研究対象以外にも勉強しなければいけないことはたくさんある、ということでした。研究者として生きていく上では、①の知識が備わっているのは大前提で、それ以外の部分が差になるのではないかと考えています。