未開人の研究日誌

東京大学で教育の研究をしています。2023年4月現在M1です。

少年革命家ゆたぼんについて教育学から考える

 

はじめに

 彼が新聞で取り上げられ、一躍有名になったのは2019年5月5日の新聞がきっかけでした。ということで、5月5日に投稿しています。

 

 話の初めに、まず彼に対する第一印象を述べておきましょう。正直なことを言うと、彼が小学5年生にして「ロボットになるな」と言う主張をできるのは凄い子だなあと思いました。確かに今当時の動画を見返してみると言わされている感じもしますが、小学5年生の頃人間として生きるよりロボットとして動いていた方がいいのでは?と本気で考えていた僕にとっては衝撃的でした。

 3年経って現在の動画を見てみると、喋りはずいぶん慣れた印象を受けます。少々態度が悪いのは目につきますが。

 一貫する論点としては、積極的に不登校を選択することは認められるのか、という点でしょう。

不登校についての情報整理

 まずは、不登校についての情報の整理をしましょう。定義はこちらで示されています。

学校基本調査-用語の解説:文部科学省

 

 「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にあること(ただし、病気や経済的な理由によるものを除く)」により、年間30日以上欠席している児童生徒のことを指します。この定義自体が、学校基本調査において現状を把握する目的で使用されているということは重要です。すなわち、「不登校」という言葉の定義はただ欠席しているという事実を述べているに過ぎないということです。

 あと、保護者の教育への考え方や無理解・無関心など家庭の事情は「その他」に分類されるようです。そのため、言葉の定義から考えると彼は「不登校」ではなく、単なる長期欠席生徒の可能性が出てきています。

 

※ここで、「病気」の定義も少し難しいとは考えられます。というのも、起立性調節障害不登校の主要な要因ですが、文科省の定義でどちらに扱われているかはわかりません。まあここでの議論では定義にあまりこだわる必要はないので無視しましょう。

 

 不登校・長期欠席についての最新統計はこちらです。

令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

 

 一般的には、不登校は消極的に選択せざるを得ないというイメージは根付いています。主要な不登校の原因などについてはいくらでも情報があるので、ここでは割愛します。(とりあえず

不登校の8つの原因とその対応方法 - 不登校の原因・対策解説ノート

を貼っておきます)

オルタナティブ教育について

 ここからが本題です。不登校には消極的なもの以外にも、オルタナティブ教育への期待から積極的に選ぶケースも多いです。今回テーマとして取り上げているゆたぼんさんもこちらのパターンです。

 

とりあえずWikipediaを貼っておきましょう。

オルタナティブ教育 - Wikipedia

フリースクール - Wikipedia

NHKニュースも貼っておきます。

新たな選択肢の学校“オルタナティブスクール”とは | NHK | WEB特集 | 教育

 

 オルタナティブ教育は、従来と異なる学び方のことで、オルタナティブスクールで学ぶ場合とホームスクーリングで学ぶ場合があります。

 

 ここでフリースクールオルタナティブスクールには明確な区別はなく、一応意味合いとしては、フリースクールが消極的不登校の児童生徒が通う場所であるのに対して、オルタナティブスクールはそこに通うことを目的とした積極的不登校の児童生徒が通う場所として使われていることが多いでしょう。

 また、フリースクールはその中でも非認可校のことを指しますが、オルタナティブスクールの中には一条校となっているものもあります。(ちなみに、消極的不登校の児童生徒が通う一条校として、不登校特例校が設置されています。これは公立私立ともにあります)

一条校…学校教育法第1条で定められた学校のこと。

 

 表にまとめると、こんな感じです。

  認可
あり なし
不登校 積極的 オルタナティブスクール(一条校 オルタナティブスクール
消極的 不登校特例校 フリースクール

 一条校になっているオルタナティブスクールはこんな感じです。このほかにも、インターナショナルスクールなどもオルタナティブスクールということができるでしょう。

 

また、不登校特例校については文部科学省のHPに一覧が載っています。

不登校特例校の設置者一覧 :文部科学省

 星瑳学園や東京シューレが代表例として知られています。また、どちらかの区分が難しい学校もあります。

 これらの学校は、文部科学省が認可している学校であるため、在籍児童生徒は当該校に籍を置くことになります。

 一方で、一条校になっていないオルタナティブスクール・フリースクールも数多くあります。

 N中等部などもフリースクールですが、積極的に選択している生徒もいることから、厳密な区分は難しいでしょう。

 そして、ゆたぼんさんが通っているサドベリースクールも、この中に入ります。

 昨年からオンラインフリースクールもすでにいくつか出てきており、選択肢は広がっています。彼が新たに通い始めた「みんなの学園」も、今年1月に新しくできた、新鋭の学習空間です。関連:

会社概要 | ハッピーエデュケーション

 

 これらの学校は一条校ではないため、原則他の学校に籍を置くことになります。

教育機会確保法について

 さてここで、無認可校の扱いについて押さえておきましょう。ここで出てくるのが、2017年に施行された教育機会確保法です。教育機会確保法

 この法律は、主に不登校児童生徒に関する項と、夜間中学に関する項から成り立っています。法律の主なポイントとしては

  • 不登校が法律で公に認められた
  • 不登校児童生徒に対して民間施設が果たす役割が重要であることが示された

 法律は理念的な項が多く、実際に現場に影響を及ぼすのはそれに付随する施行規則や通知だったりします。この時も、文科省から「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」が出され、その中で出欠の取り扱いについて指導がなされました。

不登校児童生徒への支援の在り方について(通知):文部科学省

 これによると、「学校への復帰を前提としている場合」に、フリースクールなどへの登校が登校扱いとして認められる場合があるということになりました。

 またこれは、2019年には再度通知が出され、「学校への復帰を前提とする」文言は削除されました。

「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日:文部科学省

 実はこの時に、不登校児童生徒へのオンライン学習対応が可能となっています。

 

 では、現在の実際の運用はどうかというと、現場の間でもかなり差が生じています。

広がるフリースクールの「出席扱い」 学校との連携進むも割れる対応 | 毎日新聞

不登校の子が民間施設で活動した場合の「学校出席扱い」指針 学外の学びに寄り添う一歩に 上田市|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト

不登校最多、出欠判断の基準はあいまい 学びの場多様化、実態反映せず:中日新聞Web

 

 オルタナティブスクールに通う児童生徒の出欠をどうするかも、現場で判断は分かれています。

民間スクール通学で「就学義務の不履行」 行政指摘に保護者困惑:中日新聞Web

学校外での学び、割れる出席扱い 不登校の子支援明記 法施行3年|【西日本新聞me】

 

 冒頭の調査結果では、これにより「長期欠席」の枠から外れた児童生徒が約4万人いるとされています。実態として籍を置いている学校に通っていない児童生徒は、これよりさらに多いのです。

 法律上はかなりグレーゾーンなので、論争が起こること自体は仕方がないと言えるでしょう。特に教育機会確保法の審議の際には、オルタナティブスクールを含む無認可校一条校と同等の扱いにしようという議論がありました。

不登校にまつわる法解釈について

 ここからは、そもそも憲法や法律にある義務はどう解釈されるか、という点について考えていきます。

 ゆたぼんさんの主張にもあるように、日本国憲法第26条で定められているのは、保護者に対する義務だけです。それも、保護者に課されている義務は「普通教育を受けさせる」義務です。具体的に義務の内容が書かれているのは学校教育法の第17条で、ここで保護者が子供を小中学校等に修学させる義務が書かれています。

 

 就学義務を果たしていれば登校しなくても問題はないというのはいかにも抜け道的な対応な気もしますので、論争になりやすいテーマであることは確かでしょう。

 

 ここまでの話で押さえておきたい点は、

オルタナティブ教育は教育機会確保法で法的に認められてはいるが、グレーな部分も多い

オルタナティブ教育は大衆の支持を得てはいないが、それを選択する人は一定数存在しており、ニーズは拡大している

 すなわち、ゆたぼんさんというのは一例にすぎず、過度に特殊な事例として捉えてはいけないということです。(もちろん、活動する上でのさまざまなトラブルに関してはまた別の問題ですが)そして、もっと公教育のあり方やオルタナティブ教育のあり方について議論が進むきっかけになればいいのですが、現状では双方が罵り合うだけの、非常にレベルが低い争いになってしまっているのが残念です。

終わりに

 最後に自分の立ち位置を表明しておくと、不登校自体には問題はないものの、過度にアンチを煽る姿勢には問題はある。ただしそれはアンチの質が低すぎるせいで、ゆたぼん側に味方せざるを得ない状況です。

 

追伸:4月5日にコメントくださった方

遅くなりましたが返信しましたので、確認いただけると助かります。

学問Barのすすめ

大学院の授業が想像以上に忙しい、というよりは自分が思った以上に頑張れない、という方が適切かもしれませんが…やはりなかなか更新できていませんね。

 

今回の記事は、歌舞伎町にある学問Bar Kisiの紹介です。案件とかではなく(案件もらえるような人では到底ありません…)個人的に書きたいので書いています。

 

今年1月にオープンした店です。それ以前は別のバーだったようですが、リニューアルしたようです。まず店の紹介は他の記事を読んでもらった方が早いでしょう。

こちらは店長による記事です。

https://note.com/kisi_academic/n/n138fdd1ad88b

こちらは週刊朝日に掲載された記事です。

https://dot.asahi.com/wa/2023041900052.html?page=1

 

近年、日替わりの1日店長がバーテンを務める「イベントバー」という形態の店が増えていますが、その中でも、大学院生や研究者が学問について発信するのがポイントです。

オーナーのえらいてんちょうさんはこの他にも「イベントバーエデン」「クイズバースアール」の立ち上げに携わっており(現在では経営からは退いているらしい)、その関係で僕は開店前から知っていました。そういえば母親もこの店を絶賛していたので書いておきましょう。

 

まだ4回しか行けていませんが、大変魅力的な店です。

①異なる研究分野の学生との交流

発表を聞く側にとっては、自分の専門分野以外の分野についての知見を広めることができます。大学院にもなるとなかなか関係ない分野を学ぶことも難しくなるので、結構いい機会になるでしょう。発表する側になると、分野を知らないからこその「素人質問」が結構鋭いことが多いようです。また、専門知識がない人にどう伝えるか、というのは難しいところです。

 

②人脈作り

研究室は人間関係も狭くなりがちなため、外に人間関係を求めることへの意義は大きいでしょう。また、学部生の来店も思った以上に多く、大学院での研究や生活について知ることができるいい機会になるでしょう。共通の悩み事(就活、お金、指導教員、精神状態etc...)について相談できる機会とかもあったら面白いと思います。(提案してみましょうか)他に院試対策のイベントとかもありでしょうか?

 

③発表の練習

発表者が学会発表などの練習として使えるのはもちろんですが、客も発表の方法を見て学ぶことができるいい機会です。個人的に一番推したいのはこの側面です。発表の内容がわからなくても、発表の仕方(スライドの作り込み、客への反応、間の取り方、声の出し方)の良い点を学ぶことはできます。個人的に思っていることは、学部生でも内容が優秀な方はいますが、学年が上がっていくと発表の仕方も優秀であると感じます。

 

他にオープンチャットやオンラインサロン(こちらはまだ僕は加入していません)もあり、交流の機会としてかなり活用できるようです。

 

僕もそのうち1日店長の側に回ってみたいと思います。そうしたらまた別の魅力も見えてくると思うので、また書きたせればと思います。

 

追伸:4月5日にコメントくださった方

遅くなりましたが返信しましたので、確認いただけると助かります。

 

1週間を過ごしてみて

 修士課程が始まりました。初日のガイダンスの時点で記事を書きたかったのですが、想像以上に忙しいです。まあ今週から早速課題に取り掛からないといけないことを考えるとあまり時間がないのですが、早めに書かないとフェードアウトしてしまいそうな気がするので、早めに書いておきます。

 

 ありがたいことにリアルの知人でも複数読んでくださっている方がいらっしゃるようです。研究室でも認知されていました。感謝です。

 前回の記事では有益な情報をお伝えできれば、とか書いたかもしれませんが、今回はひたすら感想を書く記事なのでさほど有益なことはないかもしれません。とはいえ在学生のこういうリアルな感想こそが有益な情報かもしれません。

 

ちなみに僕の通うところでは「コース」と「研究室」はほぼ同義であると思ってください。そうでないと意味が通らないことがあるかもしれないので。

 

ガイダンスの前日はかなり緊張しました。学部の入学時以上であることは間違いなく、全く知り合いがいなかった高校の入学時以来かもしれません。と言うのも、学部のうちは「大勢のうちの一人」でしかなかったのに対し、今回はメールで入学予定者一人一人の名前が書かれていていて、そこに進む自分の存在をより意識したからです。

 

①授業

 授業に関しては厳しいことは想像していたので、想像の範疇ではあります。ただ、授業が週2日にまとめられているため、その2日は結構疲れそうです。ただし、授業当日よりそれまでの準備の方が大事なことを考えると、残りの5日こそが大変だったりしそうです。

 卒業に必要な30単位必要のうち22単位はコースの教員が定めた(今年からはっきり定められたらしい)必修で埋まってしまうのであまり考える余地はないのですが、取りたい授業が取れないと言うことが起こりそうな気がします。まあ「取りたい」と言っていても途中で履修を後悔するのがいつものパターンなのでしょうけれど。

 1個思ったのは、コース内の教員の授業しか受けないと、そのうち見飽きてしまいそうです。実際には他のコース・専修の授業だったり、非常勤講師の授業もあったりするのでそこまででもないかと思いますが。

 

②人間関係

 これについても特に心配はしていませんでした。こんなことで心配していては不安要素がいくつあっても足りない気がします。(残念ながら世間ではアカハラなども見かけるようですが…)実際に全く問題はなかったです。さすが教育学を研究しているだけあって、組織内でもD&Iが実践されていそうです。(ちょっと大袈裟に言いすぎました)雰囲気としてはかなり良さそうなので、このような雰囲気がどのように形成されているかしばらく観察してみようと思います。(僕の研究には直接関係ないですが、教室の雰囲気などを研究している方にとってはこういうことは直接研究対象になるのだろうか、と思っています)ちなみに女子率も非常に高く、いわゆる「東京大学」のイメージとは一線を画します。

 万が一問題があったら報告しますが、相手方もここを見ているだろうから意味ないですね…

 

③生活環境

 時間の意味で言うと修士1年生は大変です。週2日は授業にで時間・体力を費やすほか、授業準備・研究で3日は最低確保しなくてはいけません。残る週2日で身の回りの生活に気を配れればと思います。あくまでもこれは一般的なスケジュールで、臨時で予定が入ったり授業が潰れたりするとこれより忙しくなったり、忙しくなくなったりしそうです。例えば来週は入学式があるので水曜日が潰れ、その分どこかで埋め合わせしなくてはなりません。(結構焦っています)

 その上サークルを立ち上げてしまい、そちらの運営に時間・労力を取られています。サークルの共同代表曰く、「僕の忙しいは無駄が多い」とのことなので、その言葉を胸にしまいながら頑張っていきます。(おそらくこの記事を書く時間が無駄と言いたいのでしょうが)

 サークルの記事も書きたいのですが、また怒られそうなので今はやめておきます。

 

④進学

 一応まだ進路については決断はしていませんが、このまま博士課程に進学する雰囲気は出来始めています。正直なところ博士を出てからその先のことを考えたいのですが、博士課程を出たら選択肢はほとんど残っていないでしょう。研究でよほど大きな挫折を味合わない限りは進学するのだと思いますが、他の選択肢もできる限り残しておきたいところです。

 

⑤金銭について

 一番心配していたのはここで、博士課程の学生がどのように生計を立てているかということに対して不安がありました。実際は、教員がかなり戦術が上手いようで、結構高い割合で学振が通るようです。働きながら博士課程に通う戦略もありますし、大学独自の奨学金、その他特任研究員などの制度もあるようなので、実際皆さん何とかなっているようです。詳しいことは今後指導教員を含む教員と相談しなければいけませんが、かなり魅力的です。これについては進展があればまた記事にします。

 

 さて、今回はこんなところにしておきます。書き出したら結構時間が経ってしまったので、徹夜覚悟で頑張ろうかと思います。このくらいサクサクと授業レポートも書ければ苦労しないのですが。

 

 余談:にほんブログ村にも登録しておきたいですが、どれくらいの効果が見込めるのでしょうか。

卒業しました/今後の方針

卒業式

一昨日が卒業式でした。卒業式はちょっと早くから並んだおかげでいい席を確保できました。卒業生総代の方は僕と同じコースの人だったのですが、彼女なら納得がいきます。総長の話は面白いものではないですが、生で話を聞ける機会も貴重ですので、しっかり聞いていました。

卒業式の後は学位記伝達式がありました。これはコースごとに行われ、時間・場所はそれぞれ異なります。僕の場合は教育学部棟で14:00〜行われました。学生証を回収して学位記をもらうこと、卒業生と教員が一言喋ることがメインとなります。その後写真撮影をしました。この時間になってくると雨が降ってきたのが残念でした。

終わった後は卒業アルバムの受け取りに行きました。バイトがあったので後にはあまり残らず比較的早く帰ってきました。バイトが終わった後は1年次のクラス会に2次会から合流して遊びに行ったりしたのですが。

卒業してみて

まあ大学院進学するので大したことは思わないですが。指導教員にも「また来週会いましょう」と言われたくらいですし。

4年前に上野千寿子先生の祝辞を聞いた身としては、結局4年経ってどうだったの、という答え合わせをしたい気持ちにはなります。東大で学んでみても、では結局社会のために何をすればいいのか、というのがよくわからないのが現状です。それは教えてもらうことではなく自分で学びを通じて発見するものだと思うので、まだまだ学びが足りていない証拠なのでしょう。

新型コロナ流行下で進振りが行われたこともあり、コース内でのつながりがほぼなかったのも残念なことで、それは多くの人が言及していました。代わりに皆各々の活動で活躍していたようで、なかなかない豪華な顔ぶれだったのではないかと思います。

このブログについて

このはてなブログを開設したのは入学直後の2019年であり、東大生のブログを読む目的で開設しました。記事は投稿しなくてもよかったのですが、fc2ブログで書いた記事を転載する形をとっていました。(subという名前はそこからきています。もっと言うとfc2自体が2つ目のブログなのですが)4年間続ける中で途中で辞める人が多かったのですが、途中半年以上空くこともありましたがここまで続けることができたというのは一つの成果になるのではないかと思います。東大生のブログについてはかなり見ているつもりですが、年単位で続く人は3、4人くらいしか観測していないんですよね…

さて、そんな感じで運営してきたこのブログですが、この度fc2での更新を終了して、こちらをメインのブログとして運営をしていきたいと思います。具体的には将来的な収益化を目指しています。

記事としては

・大学院の授業、ゼミに関すること

・院試に関すること(リライトする)

・学会に関すること

・読書記録(アソシエイト使えるかも)

ここら辺を書いていけばいいのですかね。

はてなブログで書いていく理由は、こちらの方がSEOに強くアクセスが集まることが見込まれたからです。

更新頻度は目標としては週1回ですが、現実的には月1〜2回程度になるのかと思います。

現在の時点で収益化はしませんが、2000pv/月が安定的に達成できるようになったら収益化をしようと思います。これは、独自ドメイン取得のために月額600円かかる有料プランに加入する必要があり、元を取るためにはそれくらいのアクセスが必要と判断したからです。

ほとんど更新せずSNSでの宣伝もしていない状態で今月今の所45PVなので、どうなるかは全く未知の領域です。

というわけで、これからは読まれることを意識して、読みやすい記事作りを心がけていこうと思います。

東大後期の授業紹介

 

 

僕が受けた後期の授業についてまとめて紹介します。

まず、後期の授業には5段階評価はありますが、原点の開示はされません。

 

後期の科目として履修した科目数は38個あり、次のように分類します。

①持ち出し科目

②自専修の科目

③他専修の科目

④特設科目など

⑤他学部の科目

 

①持ち出し科目

・社会教育論I(2A1) 良

社会教育に関すること。1タームだったが2限続きのため2単位。レポートも書いたと思うのだが見つけられず、よく覚えていない。

 

・教育行財政学(2A) 良

僕の院試の勉強範囲。教育行政に関する基本的な講義。オンラインでのテストだった。

 

・学校はデータでどう描けるか(2A) 優

データ分析に関する授業。授業では、受講生同士でアンケートをとり、その結果をグループワークで分析する回がある。その中間レポートと個人の最終レポートによって判断される。岩手県の高校の選択肢と地域間の平等についてレポートを書いたら優が来た。

 

・教育資料調査法演習(2A) 優

教育実践・政策学コースで唯一の必修。教育系の授業というよりは論理学の授業に近い印象を受けた。図書館情報学であればもっとダイレクトに役立つのであろうが、他の人にとってはいまいち有用性が見えない。面白い授業であることは確か。最終レポートがあったはずだが気づいたらなくなっていた。

 

・Japanese Education(2A) 優

英語の授業。毎回交代で担当の人が英語でテーマ文に関する発表を行い、グループに分かれてディスカッションを行う。最初の回に担当を決めたが撤退していた人もいた。授業自体はとてもいいのだろうが英語力が足りないせいで十分な議論には至らなかったのは残念である。レポートは教育機会確保法について書いた。DeepLに頼ったら何とかなった。

 

・学校教育学概論(2A2) 優上

社会教育論と同じ時間のA2タームの授業。3人の教員によって行われ、それぞれの教員がレポートを課してきた。7週間で3つのレポートは相当ハード。そんなに良いレポートを書いた覚えはないが優上が来ていた。

 

②自専修の科目

・教育行政・学校経営演習I(3S1) 優上

・教育行政・学校経営演習II(3S2) 優

合わせて説明します。調査方法に関する授業。Iが質的調査でIIが量的調査。Iでは研究法(仮説生成など)に関すること、IIはRの使い方など統計に関することを学んだ。基本的に毎回課題が課されるため、それをやっていれば単位は来る。研究手法について学ぶ機会は貴重なので大切にするように。

 

・社会教育論II(3S1) 良

社会教育論Iと比べて急激に抽象度が増した。何言っているか分からない部分もあるが流石東大の授業と言ったところ。最終レポート課題が「授業で関心を持ったところを参考にして、自らテーマを決めて論じなさい」だった。(オルタナティブ教育によって学校教育と社会教育の境目が曖昧になっているとか書いた)

 

・教育課程論(3S) 優

学習指導要領に関する授業。オンライン試験の形式。資料などを見てよく、時間内に作るレポートといった感じだった。2022年度から集中講義になっていた。

 

・比較教育学概論(3S) 良

日本と海外の教育比較がテーマ。中間レポートが2回あった。

 

・教育行政調査演習I(3S) 優

Sセメスターの授業は論文を読んで調査方法を学ぶ授業だった。経営演習と比べるとより実践的な演習であった。研究手法を学ぶ上ではやはり必須の授業といえよう。

 

・バリア・スタディーズ(3S) 良

障害学の授業。この科目は全専攻において自専修の授業として扱われるため受講者数が多い。レポートを出せば単位は来る。

 

・教育行政調査演習II(3A) 優

Aセメスターは興味関心に沿ってグループを作り実際に調査を行う授業。これによって実践的に調査方法を学ぶことを目的としている。授業時間がメンバー同士の打ち合わせで、授業期間以外がメインという感じ。中間発表が2回あり、最終レポートを以て完結。実際の授業では量的調査を他の班員にやってもらったりと結構楽をさせてもらった印象。それでも結構大変だった。

 

・教育経済学(3A) 優

前半は収益率などの教育経済学に関する講義、後半は回帰分析など統計に関する講義。ともにレポートが数回ある。統計分析に関しては結構深くやったと思う。

 

・比較教育行政論(3A) 優

ドイツの教育に関する授業。(セメスターによってニュージーランドの教育になったりするらしい)事前に講義ビデオを見て、授業時間内はディスカッションを行う。レポートでは単線型/複線型の学校制度について論じた。

 

・教育法(3A) 優

教育法に関する授業。2006年の教育基本法改正や2014年の地方教育行政法改正など。最終レポートは「講義で扱った法律を一つ選び、①その概要と意義、②現在の社会状況を踏まえ、改正が必要だとしたら、どのように改正すべきかについて述べてください。」というものだった。

 

・高等教育概論(3A) 優

高等教育段階の学校についての授業。大学の歴史だったり国際比較だったり。テストはオンラインで持込可のレポート形式。

 

・教育社会学概論(4S) 良

教育社会学。事前に課題文を読んで感想・疑問を投稿し、それに沿って授業が進められていった。毎回の事前課題とリアクションペーパーが採点対象となった。

 

・高等教育の社会学(4A) 

教員不足問題について。教員のアメリカ留学体験記が結構印象的だった。卒論1週間後にレポートを提出した。

 

③他専修の科目

・西洋教育史概説(3A、基礎教育学) 優

入院中に履修を決めたので色々あって選択することになった。グループで担当を決めて発表やドイツの教員とのディスカッションなどを行った。結構大変な授業だったので3年のうちにとっておいてよかったと思う。優が取れたのは他の班員のおかげだと思う。

 

発達心理学(4S、教育心理学) 優

オンライン講義。最終レポートは実際の論文を用いるものなど少し大変だった印象がある。

 

・臨床教育現象学概論(4S、基礎教育学) 良

臨床教育学の授業。教員の小学校での体験談とそれに基づく学問的な考察によって成り立っていた。毎回のリアクションペーパーと最終レポートで単位認定。

 

・質的心理学演習I(4S、心身発達科学) 優

ペアで誰か1人を対象にインタビューを行い、それをレポートにしてまとめる。ペアの方に恵まれ結構上手くいったと思う。

 

・安心・安全教育(4A1、心身発達科学) 優上

A1タームで卒業単位を満たすために履修。1タームだが週2回、1限に授業があり、朝間に合うかどうかが単位取得の最大のポイント。単位不足の4年生が比較的多く受けていた印象。

 

日本教育史概説(4A、基礎教育学)

戦後の日本教育史。最初は5枚のレポートを課すとのことだったが、リアクションペーパーで単位認定に変わった。(レポートは4枚書いて出した)1つの授業内で講義→文献購読→ディスカッションをやるのは正直時間が足りないと思う。あと、大学院のゼミに誘われた。

 

・教育の臨床現象学(4A、基礎教育学)

臨床教育現象学概論と同じ教員で同じ時間帯。こちらはディスカッションが中心の授業。このくらい時間が取れるとじっくり議論ができる、という感じか。

 

④特設科目など

特別支援教育総論I(3S集中) 優

東大は特にインクルーシブ教育を推しているようで、教職科目であるがインクルーシブ教育のことが中心だった。卒論の参考にしたのはこの方の著書であり、個人的に話を伺った。

 

特別支援教育総論II(3A1) 優

数人の教員による授業。やはりこちらもインクルーシブ教育に関するものであった。日本教育史概説の教員も講義を担当している。

 

・ディスアビリティ・スタディーズ(3A) 優

後期課程で受講した科目の中で最小の7人。学生による発表をもとに授業が進められていった。発表と最終レポートをもとに採点。

 

・発達保育実践政策学演習(3A集中) 優上

集中講義を何となく探していたらあったので取ってみた。幼児教育に関する授業で、数人の教員によって受け持たれた。幼児教育においては幼児として体験を重視するか早期教育に力を入れるかという考え方の違いがあるらしい。

 

ダイバーシティと社会(4S) 優上

フェミニズムLGBTの問題などを扱った授業。最終回は教員が発熱して休みになった。

 

バリアフリー総論(4A) 撤退

バリアスタディーズと内容としては似ていた。単位は十分に取れており、レポートを書くのが面倒だったので撤退した。

 

・障害の意味を考える(4A集中)

点字でレポートを書いたり盲ろう体験をしたりなどをした。2日目だけ行けないことに気づかず履修登録したが、取り消しが面倒なのでそのまま履修した。

 

⑤他学部の科目

・地理・空間基礎論(3S、教養学部) 良

地理の専門の授業が思った以上に難しかった。レポートは3回あり、なんとか良をとれた。

 

開発経済学(3A、農学部) 撤退

何をいっているか全く分からず、後期では初めて撤退した。

 

・福祉工学(4S、工学部) 良

障害を技術で克服することについての授業。工学部にしては難しい数式などは出てこず、何とかなった。

 

社会学演習XI(4S、文学部) 優

文学部のゼミ。半期なんとか頑張った。ゼミ自体はそこまで要求の高いものではなく、卒論準備の方が大変だった様子。4月はゼミ選択で5月から授業だったため、そういった店でも楽だったかもしれない。

6月、7月分の記事

6月分

今回はあまり進捗はないのですが。

卒論については指導教員提出の後しばらくは進展がなかったのですが、7日に第1回のゼミが行われました。

今月中に論文2本読むのを目標としようと思います。

 

院試については来月が出願なのですが、研究計画書を添削してくださる方が見つかりました。

勉強の方は先月は2章ほど読めましたがあまり進んでません。

 

あとTOEFLも申し込んであるので少しは勉強しているところです。

 

今週は他の授業で結構忙しいですが、なんとかしなければいけないですね。

 

7月分

今月は色々動きがありました。

TOEFLについては…無かったことにしてください。全然できませんでした。

 

①院試の出願

滞りなく出願できたつもりです。不備とかはないと思います。研究計画書の問題は自覚しているので試験本番でどう対処するか、という問題だと思います。

 

②研究計画の見直し

卒論ですが、文科省の報告書が出ていたことを知り、それが研究計画に結構影響を与えるものでした。見つけたのが出願一週間前だったのでそれから出願書類などを書き直したりしていました。

担当教員への報告は次回でいいとのことでしたが、結構不安が残ります。(院の面接官の一人でもあるはずです)

 

③中間報告会の準備

中間報告会が今週金曜日に控えています。資料は提出したので、あとは本番の発表ですね。まあここは成果の発表というよりはアドバイスをもらう場所として考えています。

 

そういえば、図書館で参考文献の本が見つからない騒動もありましたが、恐らく自分で返す場所を間違えただけだと思います…

 

7月は他の授業のレポートとかもあるのでそんなに勉強・研究が進められるわけでもなさそうです。8月にかけるしかないのですが…

次回ゼミが8月中旬なので、その時点では具体的な調査対象や質問項目なども絞り込んでおくべきでしょう。

 

あと、試験対策の英語の勉強も開始しましょう。

 

こういうブログって、「今週は〇〇を勉強しました」みたいなのを書きたいんですけど、言うほど成果がないもので…

 

とりあえず今日の記事はこんなところで締めます。

先行研究の著者にアポイントメントをとってみる

卒論に関しては、僕の場合は4月は指導教員の決定です。指導教員を決定するにあたってある程度の研究の方向性の検討が必要です。そこで、先行研究として活用しようと思っていた本の著者に連絡を取ってみることにしました。

そして相談をしたのが昨日のことです。

 

聞いたことのメモ

・量的研究では研究の独自性があまりでない。研究者としてキャリアを積むなら研究対象と信頼関係を深めてインタビューなどで深く聞き出せる関係を作り出すことが必要。量的研究は一般論について語るには有用なので補助的に活用すべきではあるのだが、あくまで一般論しか言えず要因などについては詳しく聞き出せない。質的研究の方が因果関係なども詳しく聞き出せて良い。

・そのためにはアルバイトなどで現場で働くというのを考えた方が良い。(教育学では実務経験が重要視される)

自治体の行政研究ではある程度研究蓄積のある自治体を選び、それを自分の分野に展開する。

→先行研究の読み込みが大事。また、コネも活用する。

・教育学では、特にケーススタディでは筑波や学芸なども研究は強い。東大は意外と劣勢だが、理論を重視した研究なら勝機がある。

 

思い切って連絡を取って損することはないので、とりあえず行動してみましょう。

 

僕の研究では、メインは質的研究ですが、仮説の生成のために量的分析も補助的に行うことにします。

 

スケジュール予定

〜5月上旬 先行研究の発掘

5月 先行研究の読み込み

6月 量的分析

〜7月中旬 中間発表の準備、インタビュー先選定

〜9月中旬 インタビューメモ作成、アポ取り

〜10月 インタビュー

11月 分析

12月 執筆

 

これを院試と並行でやっていきます。これでも余裕がないスケジュールですが、これよりさらに遅れそうな気もしますね。なかなか大変だなとは感じます。

院試の方も今月中には1冊読み終えるつもりでしたので、もう少し急ぐことにしましょう。

 

今日はこんなところにしておきましょう。